近年、東洋医学の考え方に基づいて「予防医療」が重視されるようになりました。
予防医療とは、医療従事者や厚生労働省が広く予防を呼びかけるだけではなく、一人ひとりが自分の健康に気遣うことを指します。
この記事ではさらに詳しく、予防医療の重要性やメリットを解説していきます。
予防医療とは
予防医療とは、まだ病気として発症していない状態からケアを続け、病気にならないように注意する「予防」を取り入れた医療のこと。
すでに病気にかかっている場合でも、治療が必要でなければそこから食事や日常生活に注意し、医師や薬剤師が適切なアドバイスを行います。
予防は自分自身で行っていくものですから、専門医のアドバイスを受けてしっかりと取り組んでいかなければなりません。
また、予防には大きく分けて2つの考え方があります。
- 軽度な病気や症状が出ている場合は進行を予防する
- 健康な状態のまま病気にかからないよう予防する
同じ「予防」でも発症しているか否かによってケアの程度が変わってきますので、以下で詳しく確認していきましょう。
(1)病気の発症や悪化を予防するための医療
予防医療とは、病気を発症している人がそれ以上の悪化を防ぐための医療です。
具体的には、健康状態をこまめにチェックし、自分自身でできることを日常生活に取り入れていきます。
肥満症から生活習慣病にならないように、食生活と運動をバランス良くコントロールして体重や血圧を正常化していくことは、予防の一環といえるでしょう。
病気を発症していない段階から薬を飲む必要はありませんが、医療機関を受診したり、気になる症状を診てもらうだけでも予防に役立ちます。
(2)病気にかかっていない人も対象になる
まだ病気にかかっていない健康な人も、予防医療を心がけていくことは可能です。
たとえば自宅でこまめに体重や血圧を測定する、人間ドックなどの総合的な検査を受けるといった方法は、代表的な予防医療の方法といえるでしょう。
病気が見つかっていなくても機能低下やトラブルになりそうな箇所を見つけておけば、早期対処が可能になります。
これから紹介する「波動測定」や「波動療法」は、この未病を発見するために役立つと考えられており、未来の人間ドックとして注目されています。
(3)何をすべきかは一人ひとり異なる
予防医療には、ふだん目に見えない部分へのケアが重要なポイントになります。
健康状態は誰一人として同じではないため、予防のためのケアも千差万別。
たとえば消化器系の調子が悪いときは、未病を悪化させないために消化吸収に良い食べものを食べたり、刺激物を避けなければなりません。
しかし、人によっては正しく生活しているのに原因不明の体調不良に襲われることもあります。
そのような場合、体調不良の原因がどこにあるのかを特定する必要があります。
(4)テクノロジーの活用が注目されている
人間の体は命あるかぎり常に動き、循環しています。
臓器や骨などの部位には、それぞれ固有の「波動」と呼ばれる振動が起きていると言われており、この波動を計測するものが波動測定と呼ばれる方法です。
波動測定では超低周波音をかけて振動数を測り、基準値からどの程度離れているかをチェックしていきます。
全身の数百~数千箇所を計測し、基準値から遠い値の部位は機能低下を起こしていると判断されます。
波動測定器は最先端のテクノロジーに東洋医学を組み合わせており、まだ病気になっていない「未病」の状態も計測可能。
そのため、未来の人間ドックとして活用されることが期待されています。
予防医療の重要性
上記で紹介した波動測定を含め、予防医療は非常に重要な考え方として注目されています。
ここからは、予防医療を取り入れることの重要性について詳しくチェックしていきましょう。
(1)重篤な疾患やケガが未然に防げる
予防医療を実施すると、未病が病気となり、病気が重篤な病気になる前にケアすることができます。
予防の段階では病気の症状が自覚しづらいのですが、ここで踏みとどまれるかどうかが健康の分かれ道。
また、未病予防とは病気だけではなく、ケガについても同じです。
骨や関節部分が弱っているとわかったら、体を構成する栄養素に注意しながら食事を摂り、運動やエクササイズの習慣もつけて、骨粗しょう症などを予防できますね。
(2)一人ひとりの健康意識が高まる
予防医療は健康な段階から始めるものですから、普段から自分の心と体に目を向けなくてはなりません。
日常生活についても、健康に送れているかどうかを振り返りながら改めていくので、健康意識の向上が期待できます。
予防医療自体は比較的新しい考え方ですが、「自分も気をつけよう」という意識を各自が持つことが大切です。
医学的な検診や診断に波動測定などの新しい検査を組み合わせて、その時々での心身のバランスを把握するようにしましょう。
健康のためにするべきことがわかれば、運動や食事に気を遣えるようになります。
一人の人に健康的な習慣が身につけば、周囲の人にも良い影響となって拡がっていくことでしょう。
(3)治療中心の医療から予防中心を目指す
今までは病気が発症し、ある程度症状が進んだ状態で治療に入るのが普通でした。
言い換えれば「治療中心の医療」とも言えますが、そこからさらに一歩進んで、現在では「予防中心の医療」へ移行しつつあります。
症状が現れてから慌てて病院を受診するのではなく、患者さん自身がまだ比較的健康なうちに対処していくことで、重篤化が防げるのですね。
この「予防中心」の考え方は病院や医療保険の負担を減らすだけではなく、患者さんの精神的、肉体的ダメージも減らすことができます。
たとえば未病の状態を放置して病気が悪化すると、投薬や手術など体にとって負担のかかる治療を行わなければいけません。
「病気になってしまった」というメンタル面へのダメージも大きいので、予防中心のケアで早めに対処する必要があるのです。
(4)病気や介護を有していても満足のできる状態へ
予防医療では、病気や要介護状態になっていても早い段階で問題のある箇所をケアすることが大切。
病気の方はそれ以上の進行を食い止め、できるかぎり健康な状態をキープするようにします。
要介護の方は、介護が必要な箇所についてしっかりとケアをして、介護を受けながらも健康に留意するようにします。
予防医療の「3つの領域」
予防医療では、一人ひとりが自分の健康状態に合わせてケアしていかなければなりません。
このケアについて、大きく分けて3つのフィールドがあります。
(1)一次予防:健康増進
「健康増進」の考え方とは、健康な時期から病気予防を意識することです。
たとえば食事内容に気をつける、生活に適度な運動を取り入れるなど、一次的な予防の段階です。
健康増進を心掛けていれば、免疫力がアップしたり血流が改善したりと、病気の発症はもちろん「未病」にも取り組めるようになるでしょう。
(2)二次予防:早期発見&早期治療
「早期発見」「早期治療」とは、病気を早くから発見して治療していく考え方。
現代医学では、早期発見によって大抵の病気は治すことができます。
ガンなどの恐ろしい病気すらも、早期発見・早期治療であるほどに予後が良く、完治も不可能ではありません。
早い段階で予防を講じていけば患者さん自身の医療費負担も減るので、一次予防と併せて二次予防にも積極的に取り組んでいきましょう。
(3)三次予防:リハビリテーション
「リハビリテーション」とは、すでに発症した病気の再発を防ぐという考え方です。
病気の再発防止には生活習慣の改善が必要不可欠であり、そこに保健指導やアドバイス、運動、心のケアを組み合わせます。
予防医療に必要なこと
ここからは、予防医療に必要とされるポイントを詳しくみていきたいと思います。
(1)生活習慣の見直し
まずは、基本的な生活習慣の見直しが重要になります。
1日のうちに何時に起きて何時に寝るかといった睡眠時間については、ストレスレベル軽減のためにも必ずチェックします。
次に、食事の時間や回数、食事量、嗜好品(お酒やタバコなど)の有無と量、栄養バランスの偏りなど食事に関する項目も総合的にみていかなければなりません。
最後に、普段どの程度の運動をするか(出勤・退勤も含めた運動量)をチェックします。
これらのポイントを総合的に鑑みて、生活習慣がどの程度偏っているか判定し、病気になる可能性を導き出します。
もしもどこかに偏りがあれば、そこを重点的に改善していくように求められます。
(2)定期的な検診
体重・血圧・血液・尿などの値は、健康を知るうえでのバロメーターになります。
これらの検診は医療機関でできますが、自宅でも体重と血圧は自分で測定することができるので、こまめにチェックするようにしましょう。
体内の未病箇所を判定できる「波動測定」ができる医療機関もありますので、定期検診の際に波動測定を行っておくのもおすすめです。
(3)改善方法のアドバイスを受ける
予防医療を心掛けていくためには、専門家のアドバイスが欠かせません。
医療の専門家は客観的かつ的確に診断しながらアドバイスを行いますし、生活・食事指導も含めて必要なポイントを指摘します。
このアドバイスによって、「どこをどのように改善すればいいか」がわかるようになるでしょう。
予防医療は病気を予防していくためのケアなので先が見えない不安もありますが、体重が減ったり血圧が下がったりと、目に見えるメリットも得られます。
波動測定についても同じで、未病になっている箇所が的確に発見できるので、ぜひ健康増進に活かしてください。
(4)家族間での情報共有
予防のためには家族間での情報共有も重要です。
一人で体の不具合を抱え続けるよりも、身近な家族に支えになってもらうだけでも安心できますね。
また、自分一人では続かない物事(食生活の改善や運動など)も家族がいれば指摘してもらえます。
健康増進や未病のケアに取り組んでいけば、家族の仲や絆も深まっていき、より健康になろうという意識も芽生えていくかもしれません。
(5)問題点への早期対処
問題のある箇所が見つかったら、そこに早期に対処することが大切です。
「メタボ気味」「不定愁訴がたまに繰り返される」「最近胃の調子が悪い」など、自分ではあまり気にならないことも積極的に対処していきましょう。
一次予防である健康増進は、ゴールが設定しづらいぶん長続きしづらいものですが、早期に対処していけばゴールは遠くありません。
「体重を5kg落とす」「不定愁訴の原因がわからないので婦人科へ行ってみる」「消化器内科で検査を受ける」など、できるところから始めましょう。
検査をしてもわからない部分については波動測定を行い、その後波動療法でバランスを整えてみるのもおすすめです。
無理をしすぎないよう、普段から体を休めたりストレスレベルを下げたりする工夫も早期対処の方法と言えるでしょう。
(6)健康管理の継続
健康は数時間、数日でできあがるものではなく、普段からの生活習慣にかかっています。
体重をこまめに計測する、食べるものの栄養バランスを見直してみる…これだけでも驚くほど体は健康になります。
お酒やタバコなどの嗜好品は過剰摂取・長期摂取によって体にダメージを与えますのでほどほどに。
運動習慣やたっぷりと睡眠時間を確保するなどの心掛けも組み合わせて、健康管理を継続していってください。
予防医療のメリット
予防医療の方法や領域について紹介してきましたが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
(1)重篤化する前に対処できる
病気には、先天的に抱えているものと後天的に発症するものとがあります。
どちらも同じ病気ではありますが、重症化する前にできることを続けて対処すれば、予後が良好になると考えられています。
重篤化すると治療に時間とお金がかかりますし、体に負担をかける侵襲治療のリスクも出てきます。
それらのリスクが早期対処によって予防できれば、末長く健康を維持していくことができるのです。
(2)医療費の抑制に繋がる
病気を発症すると、患者さんにとってもっとも心配なことは医療費のリスクではないでしょうか。
投薬治療や手術、リハビリテーションにはすべてお金がかかりますし、介護が必要になるとさらに費用負担は増えてしまいます。
少しでも出費を抑えるためには、早期に健康状態に配慮していくことが大切なのです。
現在、患者さんの医療費負担は1割~3割負担となっていますが、今後病院にかかる人が増えればさらに国の負担は大きくなります。
将来的に4割、5割といった負担が発生する可能性もゼロではありません。
国の医療費負担を軽くしながら、患者さん自身もお金をかけずに健康を維持できる方法が「予防医療」のメリットでもあります。
(3)非侵襲治療が利用できる
医療費負担の抑制と併せて、予防医療のメリットの一つが「非侵襲治療」が可能ということです。
日々移り変わる自分自身の体調や健康状態と向き合っていけば、病気の重篤化を防げるので大掛かりな治療の必要はありません。
波動測定や波動療法も含めて、健康な状態で行うケアのほとんどは非侵襲が基本。
治療に痛みが発生しないので、小さなお子さんや体の弱い方、高齢者や心身に障害をもつ方にとっても安心ですね。
たとえば歯科治療なら、普段から細かいところまで歯を磨き、こまめに定期検診に通っていれば重篤化を防げます。
虫歯や歯周病が見つかっても早期発見・早期治療ができるので、痛みの少ない治療が可能になるのです。
予防医療が注目されている
現在、予防医療が世界中で注目されています。
現代人の代表的な疾患ともいえる「生活習慣病」は内臓機能に関わる疾患ですが、早期に対処していれば発症を抑えることが可能。
認知症のように、本人も周囲も気づかないうちに発症する病気についても同様です。
若い頃から心身のケアを行い、脳を休めるなどの工夫を行っていけば、万が一認知症を発症しても軽度な状態に抑えられる可能性があります。
現代的な医療としてはIPS細胞を使って全身のさまざまな部位を治療する「再生医療」が注目されていますが、それと同じく予防医療の考え方も非常に重要です。
再生医療はコストと時間がかかり、まだ一般の医療現場での実用化には至っていません。
しかし予防医療なら今すぐ誰でも始めることが可能であり、手軽かつ痛みもない安全なケアが可能。
子どもや高齢者でも自分の健康を見つめることで健康を目指せるようになるのです。
医療機関での検診に近未来の測定方法と言われている波動測定を含めるなど、自分自身の健康状態をこまめにチェックしていきましょう。