「心と体はつながっている」という言葉をネット上や本で見かけたり、聞いたことがあるという方は多いと思います。
体調が良くない時というのは誰にもあることです。ですが、食事にも気をつけているし、運動もして、睡眠だってちゃんと取っているのに、何だか調子が良くない…これはもしかして心の問題なのかしら? と思われることはありませんか?
そこでこちらの記事では
- 心と体の密接な関係
- 臓器と心の関係
- 体に現れる心の状態・タイプ別セルフメンテナンス法
について、ご紹介します。あなたの心と体のつながりを見つめるご参考になさってください。
1、心と体の密接な関係を知る
まずは、心と体の関係について
- 病は気から
- フラシーボ効果
- 心と体の相互作用
の3つの視点からご説明していきます。
(1)病は気から
心と体はとても深いつながりがあります。
心が傷つくような出来事を経験したり、心に大きな負荷(ストレス)がかかることで病気になる場合があるのは、今では誰もが知るところではないでしょうか?
心と体は別々にして考えられるものではなく、同じところ(次元)にあると考えるのが自然なことと言えそうです。
また、「病は気から」という言葉も、誰もが聞いたことがあるのではないかと思います。
仏教の世界観でも「心身一如(しんしんいちにょ)」と言われ、体と精神(心)は一体であって、分けることはできず、一つのものの両面にすぎないと考えられて来ました。
それほどまでに「気(この場合は心の状態)」は体の状態を左右するということでもあります。
(2)病は気からを裏付ける「プラシーボ効果」の怖い話
「プアメードの血」と呼ばれ、いくつかの国で実施されていたと言われる恐ろしい人体実験があります。
1920年にナチスドイツが行ったことでも有名ですが、以下ような実験です。
ある死刑囚を目隠しして暗示をかけます。「人は血液の3分の1を失うと死ぬとされている。
今から手首の血管を切る。
出てきた血液をコップで受け取りるが、コップ10杯で死ぬはずだから、このことを実験する」と。囚人の手首を刃物で切り付け、出てきた血液をコップで受け「1杯、2杯・・」と声を出して告げていきまました。
「9杯」と告げたとき、囚人は震え出し、顔面蒼白になります。
そして「10杯」と告げた時に、その囚人は息絶えたのです。
しかし、手首のキズはそれほどではなく、傷口から落ちていた血液と思わせたものは実はぬるま湯だった。
参考 http://syusaikai.com/kangobudayori/tayori201002.pdf
これは軍人によって囚人に暗示がかけられ、その暗示つまり思い込みがそのまま体の症状となり、囚人を死に至らせた、ということになります。
「フラシーボ効果」という言葉を聞かれたことがありますか?
フラシーボ(Placebo)とはラテン語の「I shall please私を喜ばせるでしょう」を由来とし、患者さんを喜ばせることを目的とした薬理作用のない薬のこと言います。
例えば、小麦粉をそうとは知らせず「これは痛みに効く」と患者さんに服用させたら、痛みがなくなったり、逆に吐き気が起きるなどということがあります。
これは、フラシーボ(薬)に当たるのが小麦粉、フラシーボ効果が痛みが消えること(効用)、吐き気(副作用)ということになります。
フラシーボ効果と言われると「効果」という言葉がつくので、ついつい良いことがまず思い浮かびそうですが、このような副作用を引き起こすことも明らかになっています。
先に上げた人体実験の例は、まさにフラシーボ効果の恐ろしい一面がそのまま現実になった話と言えるのではないでしょうか。
(3)医学で見る心と体の相互作用
では、医学の視点から、心と体の相互作用を見た場合はどうなのでしょうか?
製薬会社MDSが運営するこちらのサイトによると・・・
<引用>
心と体の相互作用は強力で、その人の健康状態にも影響を与えます。消化器系は心(脳)によって強く支配されているため、不安、抑うつ、恐怖は消化器系の機能に大きく影響します。社会的、精神的ストレスが原因で、糖尿病、高血圧、片頭痛などたくさんの病気が引き起こされ、悪化します。しかし、精神的要因がどの程度影響しているかは、同じ疾患のある人の間でも大きく異なります。出典: MSD株式会社
とあります。
また
ストレスは筋肉の緊張も引き起こし、首や背中の痛み、頭痛等の原因になります、心と体は相互に影響を及ぼします。精神的要因が様々な身体の病気の発症や悪化の原因になることもあれば、身体の病気が患者の思考や気分に影響を与えることもあります。生命を脅かす身体の病気や再発性または慢性の身体の病気で、患者がうつ病に陥ることは少なくありません。うつ病によって身体の病気が悪化し、苦痛が増すこともあります。
出典: MSD株式会社
と解説しています。
2、臓器と心の関係
では、それぞれの臓器と心の関係はどのように繋がっているのでしょうか?
感情と内臓の関係を図で表現すると、このように見ることもできます。
出典http://meikouen.or.jp/mcafe/
こちらの図を簡単にまとめますと、
心 = 喜び
対応する臓器 … 心臓・小腸・舌
脾 = 思い悩み
対応する贈義 脾臓・消化器・口唇・肌肉・四肢
肺 = 悲しみ
対応する臓器 肺・鼻・皮膚・毛
腎 = 恐れ
対応する臓器 腎臓・生殖器・内分泌・骨・耳・髪
肝 = 怒り
対応する臓器 肝臓・爪・目・筋
となります。
3、タイプ別チェック
では、自分がどのタイプに入るかチェックしてみましょう。
A
① 活動的で陽気だ
② 声が大きい
③ エキサイティングなことが好き
④ 友達は多いが、気遣いはどちらかというと下手
⑤ 食欲が旺盛
⑥ 眠れないとことが多い
B
① もともと消化器系が弱い
② 疲れやすい
③ 肌の色が黄色っぽい
④ 痩せ型 または水太りタイプ
⑤ 顔、お尻がたるみ気味
⑥ くよくよしやすい性格
C
① 色白・身体の線が細い方だ
② 落ち込みやすい性格
③ むくみやすい
④ アレルギーがある
⑤ 悲しいと思うことがよくある
⑥ 呼吸が浅い方だ
D
① 肌が黒ずみがち
② 疲れやすい
③ 手足がほてる
④ 抜け毛、薄毛等、髪の悩みがある
⑤ 些細なことでもビックリしてしまう
⑥ 緊張するとトイレの回数が増える
E
① 爪が割れやすい
② 風にあたると涙が出る
③ 怒りを内にためる性格だ
④ ストレスが多く怒りっぽい
⑤ 眉間にしわがある
⑥ 暴飲暴食しがち
AからEの中で、どこに一番多くチェックがつきましたか?
それぞれのタイプ別に対処法をご紹介します。
Aが多かったあなたは「心」タイプ
・注意したい臓器…心臓・小腸・舌
心臓は喜びの臓器。喜びが多いことは良いことですが、例えば修学旅行や遠足前夜のように興奮状態で眠れない、なんてことが続けば、身体への大きな負担となり、不調へとつながります。
エキサイティングなことばかり追い求めるのではなく、ささやかな歓びや幸せにも目を向けてみることも大切です。
また、眠れないことが多いという人は「心」の臓器のトラブルを疑ってみても良いかもしれません。
Bが多かったあなたは「脾」タイプ
・注意したい臓器…消化器・口唇・四肢
脾は「消化・吸収の働き」を指し、胃腸全体を指します。
2、の図では「脾=思」となっています。悩みのスパイラルにはまって食欲不振になるなんてことありませんか? また逆に、消化器系がもともと弱い人は悩みがちとも言われます。
胃腸に優しい食事を心掛け、咀嚼をしっかりして胃腸を労ってあげると同時に、運動で筋力をアップさせることも、疲れやすさや悩みやすい体質から抜けるのに役立ちます。
Cが多かったあなたは「肺」タイプ
・注意したい臓器…肺(鼻・皮膚・毛)
肺タイプには呼吸を行う臓器として、鼻、皮膚等も含まれています。
「肺は悲しみの臓器」と呼ばれる程、肺は悲しい出来事に反応しやすいと言われます。逆も然りで、悲しい想いを持ち続ける、肺、呼吸器系に不調が起きることもあります。
呼吸の循環を良くするためにはヨガがおすすめです。また、日常的には鼻呼吸を心掛けましょう。また、このタイプの人は、中医学の視点から、油脂の多い食事・乳製品は控えめにすると良いと言われています。
Dが多かったあなたは「腎」タイプ
・注意したい臓器…生殖器・内分泌・骨・耳・髪
腎タイプは、腎臓だけでなく生殖機能やホルモン、免疫系まで幅広い要素が集まっています。「腎=恐」と図に出ていますが、常に何かに怯える、驚きやすい人は、腎にトラブルがあるかもしれません。腎タイプは関わる要素が多いですから、循環を意識することが大切です。有酸素運動等で新陳代謝を上げるようすると良いでしょう。
Eが多かったあなたは「肝」タイプ
・注意したい臓器…肝臓・爪・目・筋
長年怒りを抱え続けることで、肝臓に不調が現れやすくなり、また肝臓に不調のある人は怒りっぽい、キレやすい等の傾向があると言われます。ストレスが怒りという感情になって体に作用しているのです。出来るだけストレスになることを避ける、減らすことをしながら、暴飲暴食を控えて肝臓への負担を減らしてあげることも大切です。
参考
http://meikouen.or.jp/mcafe/
まとめ
いかがでしたか? 心と体は相互の作用し合っていることがお分かり頂けたのではないでしょうか? 心からのアプローチ、体からのアプローチ、両方を上手に取り入れて快適な心と体を手に入れましょう。